- 平成22年度「全国ふる里食品コンクール」で最高賞の農林水産大臣賞受賞
- 平成22年度「やまがたふるさと食品コンクール」で最優秀賞(山形県知事賞)受賞
- 平成27年度に復興庁主催「世界にも通用する究極のお土産十選」に選定
今までにはない、新しいフルーツゼリーの誕生
山形県のさくらんぼ主要生産地の一つである寒河江市。
そんなさくらんぼの里ともいうべき場所で、株式会社サエグサファクトリーは平成21年産声を上げました。代表取締役社長・三枝利行さんを筆頭に果物の取扱い経験のある仲間が集まり、一年中摘みたての状態が楽しめるさくらんぼの加工品を生み出そうと商品開発を開始。
試行錯誤の末生み出されたのが、現在サエグサファクトリーの主力製品である“プチジェリチェリー”です。
手に持って一口で食べられるさくらんぼの魅力をそのままに、摘みたてに近い味と食感を再現するため、蜜煮したさくらんぼを甘酸っぱさがアクセントになったゼリーで包み、軸を残した現在の形にたどり着きました。
丸い宝石のようなジェリーをまとった姿から“プチジェリチェリー”と命名され、平成22年9月には「2010やまがたふるさと食品コンクール」最優秀賞(山形県知事賞)を受賞するなど、新感覚のスイーツとして注目を浴びています。
美味しさ3通り
冷凍された状態で販売されているので、溶け具合によって、
シャーベット
半解凍
ゼリー
の3つの食感が楽しめます。
こころくばりが生み出す最上級品
早摘みした黄色いさくらんぼを、リキュールで香り付けした蜜でゆっくりと煮詰めます。
一つひとつ軸を持ち、微調節しながらゼリーを流し込みます。
“プチジェリチェリー”の独特な形は、手作業によって生み出されています。
「工程すべてが繊細な作業。温度管理や力加減など一つの工程でもいい加減なことをするとダイレクトに製品に現れてきてしまう」と三枝社長。
種抜きをする作業からゼリーの注入まで、スタッフの細やかな配慮が必要になる部分が多く、なかなか機械化は難しいといいます。
例えば、さくらんぼの蜜煮の作業では、実から軸が取れないように気を配りながら煮詰めていくため大量には作れず、スタッフは鍋から離れずゆっくりと蜜をかき混ぜる作業を繰り返し行う必要があります。
さらに、型にゼリーを注入する際は、ゼリーの真ん中にさくらんぼがくるよう軸を持ちながら流し込むなど、一人ひとりの細心の注意が“プチジェリチェリー”の品質に大きく関わってきます。
商品をきっかけに地元寒河江を活性化
ゼリーが溶けてしまわないよう通年冷房の効いた部屋で箱詰めの作業は行われています。
開けた瞬間の感動を損なわないよう、最終チェックを行い、軸の方向も合わせて詰めます。
地元・寒河江や東根、天童で採れるさくらんぼを原料に“プチジェリチェリー”を販売し始めたことで、消費者はもとより農家の方々からも反響があるそうです。
「農家が手間暇掛けて育てたさくらんぼを一粒一粒大切に使い、これからも地元の生産者と2人3脚で“プチジェリチェリー”を全国に発信したい」とサエグサファクトリーでは、数十年来付き合いのある農家からさくらんぼを仕入れています。
冬期間にはスタッフ一同で剪定作業に出掛け、信頼関係を築いてきました。
「企業側も目先のことだけでなく、農家の良きパートナーとなり、果樹の成長に合わせた長いスパンでものごとを考えなければならない」と代表取締役社長三枝さんは言います。
一粒のさくらんぼを使った“プチジェリチェリー”が、地域の農業ひいては地元全体を盛り上げていく起爆剤になっています。